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高級サロンについて考えてみる


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2013年10月10日
ESTHE INTERNATIONAL 村橋哲矢

高級サロンと聞いて、皆さんはどのようなイメージを抱かれるでしょう。

シャンデリアが燦めくゴージャスなインテリアに、華やかに高級ブランドを身につけた有閑マダムでしょうか?

それとも、シンプルモダンなインテリアに、キャリアウーマンが仕事の疲れを癒やしているイメージでしょうか?

一口に高級サロンと言っても、それは普遍的なものではなく、時間とともに変化するものといえます。

 

少し美容の歴史を振り返ってみましょう。話は私の祖父の時代である大正から昭和初期にさかのぼります。大正12年9月に関東大震災が起こり、関東は甚大な被害を受け、その影響で横浜港に着くはずの一隻の外国船が神戸港に寄港することとなりました。その船には米国製の電気パーマネント機とその開発者が乗っており、これが日本に上陸した初めてのパーマネント機となります。神戸の美容師がそのパーマネント機を買い取り、そして輸入が始まり、パーマネントは日本に普及してまいりました。

パーマ料金は、昭和7年に20円。当時の大学での初任給が50円でしたので、今の価値に換算すると8万円ぐらいでしょうか。理容料金のなんと50倍でした。パーマだけで今の価値で8万円の料金が取れる店ということで、この当時はサロンにパーマネント機さえあれば「高級店」だったことになります。

その後、昭和9年に私の祖父がパーマネント機を国産化して、価格が一般化していきます。昭和13年には5円(2万円)というように、お金持ちだけのファッションから一般顧客へと普及していったわけです。

 

次に、時代は父母の時代に移りますが、私の母は米国に美容留学し、若くして美容界で活躍しておりました。一方父の方は無名でしたが、当時珍しく大学に通いながら美容業を営む生活をしておりました。二人が結婚し、夫婦で京都に初めて店を出したときに、今では珍しくないのですが、当時ではなじみのない「完全予約制」を打ち出しました。質の高いサービスを提供したいという思いからですが、開店当初は全くお客様のない日が続いたと聞きます。

この昭和30年頃は、今よりはるかに美容師の社会的地位が低く、男性美容師は珍しいというので人気が出る反面、馬鹿にする人もいたといいます。そのような中、父は、美容というのは男が一生続けるべき仕事かどうかを確認する意味で、当時世界的に有名だった7人の美容師を訪ねて歩くことを計画します。

ギョーム、アレクサンドル・ド・パリ、モーリス・フランク、ヴィダル・サッスーン、ロジェ・パラ、などの蒼々たるヘアデザイナー達を訪ねる計画です。しかし、どこの馬の骨かもわからない日本人美容師に簡単に会ってくれるわけがなく、最初に訪ねたギョームにお会いできるまで7回の門前払いだったそうです。

そのようにして、ようやくお会いしてみると美への情熱が通じ合うのか、その場で他の一流美容師たちに電話をかけて紹介してくれたそうです。以来、その方々たちとの交流は生涯にわたりました。

そのうちの一人、アレクサンドル・ド・パリのサロンは、グレース・ケリーを始めとした王侯貴族、オードリー・ヘップバーン、ソフィア・ローレンなど女優の顧客を持ち、サロンにはヴァンクリフ&アーペルの数百万円のダイヤのネックレスが数点展示されていました。パリ・オートクチュール・コレクションではディオール、イブサンローランなど幾つものメゾンを担当しており、常に世界最上級のモードとともにありました。

 

父と母は、それらの最新モードとそのためのテクニックをいち早くサロンに取り入れて顧客に提供し、また、仲間の美容師さんたちに情報を伝えることを始めました。

祖父の時代が新しい美容技術の提供が高級サロンの条件であったように、このころの高級サロンは、欧米の最新モードを取り入れる事のできる芸術的な感性と、その最新ヘアーをお客様に提供できる技術力があることが高級店の条件でした。

 

 

そして時代は、美容技術や芸術性を競う時代から店の売上げや店舗数、すなわち経営を競う時代に入ります。強者と弱者の差が開き、大型のフランチャイズ店やオンリーカットサロンなどのロープライス店と、美容業を取り巻く環境は厳しくなります。

 

ファッションは富裕層も一般層も、ヴィンテージ・ジーンズに、古着が流行して、華やかさが失われる一方で、美しさを表現するより、ライフスタイルすなわち自分らしさを表現できることがかっこよい時代に入ります。

私どものお客様で、普段はそのようにTシャツにジーンズや短パンで、見た目は普通なのですが、フェラーリを十数台持っていたりするビリオネアがいます。

彼らのような超富裕層にとって高級とは何なのか?また彼らが求める美容室とはどういうものなのか。今の時代の高級サロンについては、次回に考えていきたいと思います。

 

株式会社エステインターナショナル 代表取締役社長
村橋哲矢

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